【においをかぐツキノワグマ】
第50回森林・林業写真コンクール
一般の部 佳作
玉谷宏夫(京都市)撮影。
京都府美山町京大芦生演習林にて
「クマは、地面のにおいをしきりにかいだ後、去っていった」(撮影者)
*この写真は、餌付けの防止や人間の安全確保に関して最大限の配慮をし、研究目的で撮影されたものである。
現在、狩猟や有害鳥獣駆除によって捕殺された鳥獣は比較的安易に山林中で捨てられている。不用意な死体の投棄は、野生動物の餌付けにつながり、また、クマ類が餌付いた場合、思わぬ場所でのばったり遭遇事故を招きかねない。撮影に際しては、死体の処理方法について考えることと、実際にどんな野生動物が来るのか,また,来るのかどうかを確認するために、有害駆除されたツキノワグマの内臓部分を地中深くに埋めて、自動カメラを設置した。その結果、カメラにはツキノワグマが写っており、このクマはしきりににおいをかいだ後、何も手を付けずに去っていった。
この実験を行うにあたっては、人間の食料のような、野生動物が新たに味を覚えるものを使わないことと、持ち去られないようにすることに留意し、餌付けの可能性をなくしている。また、人間が立ち入らない場所で実験を行うことによって、人間の安全を確保した。
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